「特別寮から出てけって何回言っても出ていかないからね。さすがに引くわ~。男にガッツキ過ぎでしょ」

城本さんが来たから出づらかったのに、私の話をしてるから余計に出られないよ……。

あとどのくらいいるんだろう?

さっきから聞いていると、城本さんたちはメイク直しをしているようだった。

はぁ……。

私は心の中でため息をつきながら、そっと頭を抱える。

体育の時とかトイレの時は女の子だけの空間になっちゃうから、一番嫌味を受けるんだよね……。

特にトイレは逃げ場がないし、捕まったら最後、十数分は解放してくれない。

今だってバレないかソワソワしながらジーッと便座に座ってる。

「でーきたっ! 行こ、涼華」

「はーい」