そう思った瞬間、あの雨の日の恋々愛の悲しそうな顔がフラッシュバックして……。

もう、悲しませないって決めたのに。

俺は駆け足に二人の元へと急いだ。

「はあ……優羅のつるむ奴はろくな奴がいないな。どうせみんな、金が目当てで親しくなったんだろ」

っ……!!

なんだよ、その言い方……。

涼たちだけでなく、恋々愛まで貶して。

拳を握る力が徐々に強まっていく。

好きなだけ吐き捨てた父さんは、俺が着くより先に恋々愛の横を通り過ぎて広間の方へと歩き出した。

行かせない……どうにかここで説得を──────────

「違います!」

っ!?

突然廊下に響き渡った声に思わず足が止まる。