♡恋々愛side♡

「はぁ……」

私は全く開く気配のない扉にもたれかかって、ため息を一つ。

シンと静まり返った廊下に、私のため息だけが妙に響いた。

どうしよう……?

* * *

遡ること数十分前。

「それじゃあ終わります。楓くん」

「きりーつ」

藤崎先生の柔らかな声と、今日何度目かの楓くんの気だるそうな号令。

「礼」

「「「「「ありがとうございました」」」」」