確かに雅さんは、話を振られれば楽しそうに話して常に笑顔で返していた。

……だけど、たまに意識が別のところにあるように、ボーッとしていることもあって。

しょうがないって自分に言い聞かせても、好きな人のことが忘れられない……雅さんからはそんな様子が伺えた。

「……お願いします」

梓川くんも……みんな、優羅くんのために。

「何度言わせるんだ。お前達が何と言おうと、この結婚はやめない」

「そんな……っ」

「お願いします、優羅を自由にしてあげてください!」

「「「「「お願いします!」」」」」

悲痛なみんなの叫び……。

心がキュッと締めつけられて苦しくなる。

……しかし、そんなみんなの思いも虚しく──────────