「あぁ、優羅さんの……。私は月武(つきたけ)(みやび)と言います」

あ……“月武”って──────────

「優羅さんの……婚約者です」

どこか憂いを帯びた表情でそう付け加えた雅さん。

この人が梅乃くんの婚約者さん……。

どんな人かなんて想像はしてはいなかったけど、こんなに美人な人だとは。

「優羅さんのご友人が数名見えられると聞いていましたが、こんなに可愛らしい女性だとは思っていませんでした」

そう言ってニコッと微笑む雅さん。

笑ったらより可愛らしさが引き立って……。

女の私でも思わず見てれてしまうほど。

「? あの……」

ついついまた見とれてしまっていた私は、雅さんの不思議そうな声にハッと我に返る。

「す、すみませんっ! キレイなお顔なので、つい見とれてしまって……!」