いま、誰かと声が重なったような……?

「あなたは……?」

消え入りそうな静かな声に、私は慌てて声のした方へと顔を向けた。

目を向けた先には、同い年ぐらいの女の子が私と同じように窓から体を乗り出していて。

ぱっちりした二重の目に、ぷるんとした唇。

高すぎない鼻、サラサラの黒髪、透き通るような白い肌……。

まるでお人形さんみたいな可愛らしい人。

そんな彼女にボーッと見とれていると、彼女は不思議そうにキョトンと小首をかしげた。

……あっ!

「私はっ、桜川恋々愛と言います! 梅乃くんのクラスメートで……」

私はそう言いながら慌てて頭を下げる。

名乗るのも忘れて思わず見入っちゃってた……。