それは……そうだけど。

「それだけじゃないよ」

私はチャーハンを焦がさないように手際よく炒めながら言った。

もちろん、依織くんのこれまでの努力は計り知れないと思う。

草葉先生の力も凄まじいと思う。

だけど……。

「依織くんを信じて、草葉先生と引き合わせてくれた優羅くんがいたから、今の依織くんがいるんだよ」

そう。

全てはそこから。

優羅くんが依織くんの言葉を、依織くんを信じてくれたから。

真っ直ぐに向き合ってくれたから。

手を差し伸べてくれたから……。

だから──────────