分かってる……もともと優羅くんは自分から話題を振るタイプじゃない。

だから、私から話題を出さないと二人の間に会話はないわけで……。

「ねぎいれるよ」

「あ、はいっ」

優羅くんの声にささっと体を避ければ、私の隣に来てフライパンにねぎを投入する優羅くん。

「「…………」」

あぁ……一体何の話題を──────────

……って、あっ。

そう言えば……。

「優羅くん」

「ん?」

ねぎを全て入れ終えてシンクの方に行ってしまった優羅くんは、私の呼び掛けに顔だけくるっとこちらを振り返る。

「依織くんのこと、ありがとう」