ピーンっと手を挙げて風磨くんに続いたのは凛音くん。

凛音くんもお仕事……。

みんな仮卒といえど、やることがたくさんで相変わらず忙しそう。

対して私は──────────

「恋々愛ちゃんは?」

ービクッ。

突然の問いかけに私はビクリと肩を揺らした。

そっと声の主に視線を向ければ、凛音くんがキョトン顔で私の答えを待っていて……。

恋々愛ちゃんは、って……。

タイミングがいいのか悪いのか、それはちょうど私が思っていたこと。

「私は、特に……」

私はバツが悪くなってズズズッと視線を逸らしながら答えた。

受験も終えて進学先も決まり、自動車学校に通う予定も、バイトをする予定もない私は、友達と遊ぶ予定しかない、“ホントの仮卒”組……。