「…………」

梅乃くんはお姉さんが来てから、ずっと沈黙を貫いている。

“高校卒業” “説得”

梅乃くんはお父さんから羅桜高校に行くの、反対されてたのかな?

それに高校入学前って、みんな中学生の頃からの付き合いなの?

疑問はたくさん湧いてくるけど、誰かに聞ける雰囲気じゃなくて。

「別件って? ゆーちゃんのその感じ、絶対いい話じゃないよね?」

林山くんの声はいつもと違って元気がない。

「あんたたちには関係ないの……これは家族の問題──────」

「優梨」

関係ないと突っぱねる言い方だけど、お姉さんの声は泣き出しそうなほど悲しい声で。

葉森くんの優しくなだめる声に、お姉さんはグッと口を噤んだ。