これで無事にクリニックに通って治療プログラムを受けられる。

……そう安堵したと同時に、俺の胸にはしこりのような物が残った──────────


『本当に申し訳ない』


最後に先生は、俺にそう言った。


『桜川を傷つけてしまうことに苦しんでいたこと、そんな自分が嫌で変わりたいと思ってたこと……何一つ気づいてやれなかった』

『俺がちゃんと気づいて、もっと早くに専門機関と繋げてやれれば、桜川と藍澤がまたこんなに傷つくことはなかったかもしれない』

『俺たちが黙認したせいで……俺たちにも責任がある。本当にすまない』


先生は、一度も俺を咎めることはなかった。

悪いのは全部俺なのに……先生は真っ直ぐに俺に謝罪して、自分たちにも責任があると言った。