私と付き合わなかったら、依織くんはあんな風に苦しむことは無かったんだ。

依織くんをあんなに苦しませたのは、私だ……。

私はギュッと膝の上で拳を握った。

「……姉ちゃんには言った」

っ……!!

ードクンッ。

優羅くんの言葉に胸が嫌な音を立てる。

それ、って……──────────

「でも」

……?

私はそう一息置いた優羅くんをそっと見上げる。

「姉ちゃんだけに留めてもらった」

「えっ……?」

そう言った優羅くんの真っ直ぐな瞳に嘘はなくて。