そして、恋々愛と距離をとるのに最適な口実が受験勉強だった。

もともと生徒会最後の行事である文化祭が終わったら本格的に始めないとと思っていたから、ちょうどいいのか悪いのかタイミングが重なって。

その結果、恋々愛と顔を合わせる時間はガクッと減った。

これでいい……。

俺を見る機会が減れば、俺と話す事がなくなれば、恋々愛が昔のことを思い出す危険性は低くなる。

これで恋々愛は苦しまずに済む。

これが恋々愛のためなんだ──────────

……そう思って、それが正しいと決めつけて。

恋々愛から目を逸らし続けたから。

恋々愛をちゃんと、見ようとしなかったから……。

だから、気づかなかったんだ──────────