……あれから、どれぐらい優羅くんと抱きしめあってるだろう。

幸せすぎて時間が過ぎるのも忘れて。

ずっと、このまま優羅くんに抱きしめられたままでいたい……。

……けど──────────

「そろそろみんな帰ってくる」

「うん……そうだね」

ずっとこのまま、なんて無理な話で。

そっと私の体を離す優羅くん。

あ……。

スーッと離れていく温もりに、私の胸はもどかしくなって。

ダメだ……“もっと”を望んじゃ。

みんなが帰ってくるのにこのまま抱きしめ合ったままでいいわけがないし。

そもそも、恋人でもないのにハグしてもらえたんだもん。

それだけでもう十分すぎるぐらいなんだから。