「っ……」

私はギュッと優羅くんの体を抱きしめ返す。

今はその原因を知ることより、優羅くんのこの苦しさを和らげることを優先したい。

私が抱きしめたところで、優羅くんの苦しさが紛れるとは思わないけど──────────


『大丈夫』


依織くんに再会した時、恐怖で震えてた私を優しく抱きしめながら、そう言ってくれた優羅くん。

あの優羅くんの言動が、あの時の私をどれほど救ったことか。

どれだけの安心感に包まれたことか……。

あの時に感じた安心を、優羅くんにも少しでいいから感じて欲しい。

「優羅くん……」

優羅くんが感じてる不安も、苦しさも、辛さも、悲しさも……全部取り除きたくて。