「一度だけ・・ママに聞いた事があって・・。」
「うん。」
「すごく答えに迷った後に・・
[アミを守る為だよ]
って一言だけ言われました。」
「・・・・・・・。」
「あ・・ごめんなさい・・。
答えになってないですよね・・?」
「いや、お母さんの判断はよく分かる。
お父さんと実際にお話してみて、
私も色々と感じる所があったから。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「お父さんの事、
“変わってるなぁ”って思った事はある?」
「・・いえ・・全く・・・。
あの夜の電話で言われた事以外は・・。」
「・・・・・・・そうか。」
「あの・・相馬さん。
私からも聞いていいですか・・?」
「うん?」
「お父さんはこれから・・
どうなるんですか・・?」
「・・そうだね・・・。」
「死刑になるんですか・・・?」
「ん~・・・かなり判断が難しい。
裁判官や弁護士・・
今後の裁判の展開次第かな・・。
ただ・・もし死刑にならなかったとしても・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「死刑を免れて懲役刑になったとしても・・
お父さんの年齢の事を考えると、獄中でその生涯を閉じることになるかもしれない。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
最後に、ハンカチを渡して席を外した。
今日は溢れ出ないと思っていた感情が爆発するのは、“娘”としたら当たり前なのかもしれない。
例え“PSYCHO-PASS”と呼ばれる人種でも、
あの子にとってはたった一人の父親。
取った行動の是非はともかく、
キッカケは“娘を守る為”。
アミちゃんの気持ちを考えると、
後味は決して良くない・・・。
こういう事件はハッキリ言って好きじゃない。
好きじゃないが・・・
「これで・・全て解決した・・・。」



