「・・・・相馬さん。」
「あぁ。これで“黒”に近づいた。
明日、小柳さんの出勤時間を見計らって、
もう一度“フーニーズ”へ行こう。」
「ただ・・不安要素が一つ・・。」
「そうだな・・。【証拠】が無い。
鑑識班の結果もダメだったんだろ?」
「はい・・。新庄君以外の、犯人のものとおぼしき指紋やDNAは見つかっていません。」
「それもちょっと引っ掛かってたんだよなぁ。」
「あ、中指の爪と同じですか?」
「あぁ。3歩ぐらい譲って、
17歳の女子高生が錯乱状態になって、
新庄君をメッタ刺しにしたとしても・・
証拠隠滅をする工作なんて咄嗟に思いつくかねぇ?
50歩ぐらい譲って、
部屋中の指紋を拭き取ったとしても・・
遺体の爪にまで気を配れるほど、
冷静さを取り戻してたなんてねぇ。」
「【凶器を持ち去った理由】も謎のままだし・・たっぷりと小柳さんから事情を聞きましょう。」
「・・・それにしてもやりにくいなぁ。
女性だけならまだしも、まだ子供だぞ?」
「それは・・・・俺も一緒ですけど・・。」
さて・・・小柳アミさんの口から、
何が語られるのか・・果たして・・。
第2話 完