裕一郎からもらった名刺を取り出し、電話番号を打ち込むまで――……その間、わずか1分。


『……はい、倉本です』
「もっ……わたっ、わ……我が名は小日向恋幸也……そなたを四半刻(しはんこく)後、我が聖地に(いざな)おうぞ……」
『……イタズラ電話ですか? 切りますね』





「なぜ普通に言ってくださらないんですか」
「くっ、倉本様の声を聞いたら……急に恥ずかしくなっちゃって……」