「……」
「すごくいい匂いで、頭がふわふわします……柔軟剤じゃないですよね?」
「……っぷ、くくっ」


 少し顔を俯かせた彼の肩が、耐えられないと言いたげに細かく震える。


「ははっ、あはははっ!」
「――っ!?」


 二拍分の間を置いて、恋幸の目に飛び込んだのは――……楽しそうに笑う裕一郎の姿だった。