(うう〜っ! 明日こそは……!)


 そう意気込んだ彼女が敷布団の片付けや着替えを済ませ、洗面所で身支度を整えてから床の間へ向かい、(ふすま)をスライドさせた時――……『いつも』とは違う“それ”を目にした。


「……?」


 座卓の上に置かれた物を恋幸が正しく認識するまで数秒の空白ができる。
 そして、脳みそが“それ”を理解した瞬間、ほぼ反射的に「あっ!?」と声を上げていた。


「お、おはようございます小日向様。どうされました?」


 ワンテンポ遅れて聞こえてきたその声に彼女が振り返ると、そこにあったのは襖を開けたまま目を丸める星川の姿。