5杯目のメロンソーダを飲む彼女は、スマートフォンを触る気力もなく不安で押しつぶされそうな状態だった。


(は、吐きそう……)


 約束を忘れているのだろうか? もしかして『待ち合わせ』だと勝手に勘違いしただけなのだろうか? それともあの場では忘れていたけれど後になって初対面プロポーズのヤバい女だと思い出し、ドン引きして会いたくなくなったのだろうか?

 来店から3時間が経過した頃から、そんな悪い想像ばかりが恋幸の頭によぎり続けている。


(うう……)