「……ああ、そういえば……最近、どうしてモチダ喫茶に来ないんですか?」
「……えっ!?」
「週5で通っている常連だ、と耳にしました。しかし、今週は全く姿を見せていない、と。……なぜです?」


 晴れ渡った空のように透き通る彼の青い瞳が、眼鏡のレンズ越しに恋幸を映す。
 しかし表情は一切変化を見せておらず、その言葉に隠された真意を彼女が()み取ることは困難だった。

 いや……もしかすると、深い意味なんて無いのかもしれない。


「え、っと……その……い、忙しくて……」


 貴方に公開プロポーズをしてしまったからです、とは言えなかった。
 そもそも、彼がその話題に触れていないのだから、彼女がわざわざ藪をつついて蛇を出すような危険を犯す必要もないだろう。