裕一郎を仰ぎ見たまま言いどもる恋幸を見て彼は何を思ったのか、目線の高さを合わせるかのようにやや前屈みになって顔を寄せる。
 恋幸はとつぜん至近距離に迫った祐一郎の整った顔を視界に捉えた途端、まぬけた声を上げて2、3歩後ずさり両手で頬を覆い隠した。


「……? 小日向さん?」
「ほぁ……」
「ほ……?」


 ゆーいちろ様、かっこいい。瞳、キレイ。屈んでくれた、優しい。大好き。
 瞬間的にIQが2(サボテンと同レベル)まで落ちてしまった恋幸の頭の中に浮かぶのは、そんな考えばかり。