「……それで? 先ほどの」
「ごめんなさい突然失礼しましたご迷惑をおかけしてすみませんでした!!」
「……あの、」


 恋幸は息継ぎもせずにそう言い終えるなり、自身の荷物と伝票を持って席を立ち、男性の顔を見ないようにしながら彼の伝票も奪い取りレジへ向かって猛ダッシュ。
 二人分の会計を済ませてから店を飛び出すのだった。


(どうしようどうしよう、どうしよう……!! さっきの男の人、あれは絶対に――……!!)