「僕は女の子になるつもりだよ。ずっと前から憧れてたんだ!」

「どうして?」

友達に訊かれ、僕の頭の中に可愛らしい服や幼い頃に読んだ童話のお姫様の姿が浮かぶ。女の子ってふわふわキラキラしていて、毎日がおとぎ話みたいなんだ。

「女の子ってさ、可愛い服を着ほうだいだし可愛いし、甘いスイーツが似合う生き物だし、本当に憧れなんだ!それに、男には子どもを産むなんてできないでしょ?」

可愛い服を着て、スイーツを食べて、上目遣いやウインクで男の子を照れさせてみたい。そんなことを思っていたら、「甘いよ、エッフェ」と声をかけられる。振り向けば、髪を腰ほどまで伸ばし、赤い胸元の大きく開いたセクシーなミニ丈のワンピースを着た女性の天使が立っていた。

「カトレアさん!!」

僕と友達は同時に声に出す。彼女は僕たちの先輩で、女性の性別を選んで名前も女性名に変えたんだ。

「わあ〜、そのワンピース素敵ですね!セクシー!」