あれから一年という月日が早くも経ち

ルイーゼクライス は 10才という歳になった
第1王子 アルファンス・レオナルドとは
交友関係を保っている。保てていると言うより
ルイーゼクライスに、恋心を持ち始めていた。
普通の令嬢ではありえない行動やしぐさ
そして、言動。全てがアルファンス殿下には
魅力と感じ始め 気づいたら好意を寄せていた

それから季節は真夏になって
その頃のルイーゼはと言うと……






「暑い〜 暑いよ〜 マセリー 暑いよ〜 」

ルイーゼはベットの上で両足をばたつかせる

「お嬢様…おやめになられて下さい」
「あ、そうだ!!」

ルイーゼは何か閃いたのか叫び始めた

「とんでもない事お考えになられていませんか」
「いいえ!川遊び!マセリー!」
「何でしょうか、その得体の知れない遊びは」
「夏といえば、川遊び!水よ!」
「……またそんなご令嬢らしからぬ事を」
「この辺りで、水が流れている所はないの?」
「この近辺だとございますが…」
「行きましょう!!マセリー!!!」
「全く………わかりました。」

馬車で水が流れている場所に向かう途中
ルイーゼは、父親にたまたま出会い
馬車を降り、父親の方へ向かうルイーゼ

「やあ、私の姫、ルイーゼ」
「お父様、ごきげんよう」
「ルイーゼは、どこかにお出かけかい?」
「お父様こそ、どこか行かれて居たのですか?」
「ああ。お母様へプレゼントをね」
「そうなんですか、きっと喜ぶわお母様」
「そうかい。だったら嬉しいな」
「では、お父様、行ってきます」
「ああ。気をつけるんだよ」
「マセリー居るから大丈夫ですわ」
「そうだね。マセリー頼んだよ」
「はい、旦那様。お任せ下さいませ」

こうして再び馬車に乗り水の場所へ向かう
すると次は、実の弟 ジュディクライスに会う
再び馬車を止める ルイーゼ

「あら、ジュディどこか行かれるの?」
「姉上!!!姉上こそどこ行かれるのですか」
「私は水のある場所よ!」
「水……ですか?てっきり殿下の所かと」
「どうしてアルファンス殿下の元へ私が?」

何故行くのかと問うとジュディは恥ずかしがり
アルファンスとは、婚約者だからだと答えた。

「婚約者だからと言っていつも一緒に居ないわ」
「姉上はいつも、、殿下と一緒じゃないですか」
「嫌だわ、ジュディもしかして…妬いてるの?」
「そ、、そんな事は無いですよ!ただ、ただ…」
「ただ?」
「姉上はご婚約されてからというもの…
殿下ばかりで相手してくれなくなりました」
「ふふふ…そうだわジュディも一緒に行きましょ」

弟のジュディが妬いていた事がわかり
とても可愛く思えて連れ歩きたくなったのです

「宜しいのですか?姉上の邪魔には…」
「ジュディが私の邪魔になど絶対ありえません」
「っ姉上に着いて行きます!!!」

ジュディは心から喜び引っ付くように
ルイーゼの横に座り着いていくことにした。
ジュディは久しぶりに大好きな姉と一緒に
居れるからかずっとニコニコしている。

「マセリー 急いで参りましょう!!」
「お嬢様…大声を上げるなどおやめ下さい」
「姉上…水なんかに何の御用ですか?」

水がある所へ行くとは言っていたが
何故行くのか気になりルイーゼに問う

「ジュディ……それはね…川遊びよ!!」
「川……遊び…ですか?」
「川遊び!暑い時は凄く気持ちいいのよ!」
「…マセリー 川遊びとは何だ?」
「ジュディ様…私も分かりかねます」

川に着くまでの間姉弟凄まじく 会って
居なかった間の色んな話をジュディは
ルイーゼに話していた。
そうこうしている内に川へ着いた。

「ルイーゼ様、ジュディ様 到着致しました」

馬車の外からマセリーの声が聞こえ
ふたりは馬車から降りることにした。

「えーーーーー!!!!」

川を見てルイーゼは叫んだ

「どうされましたか、ルイーゼ様!!!」

急ぎ足で二人は、ルイーゼの元へ行き

「これが…これが…川なの!?!?!?」
「?……左様でございますが…?」
「姉様?…見渡した限り何も異常は無いと…」

マセリーとジュディには何も変わりがなく
見えているがルイーゼの思っていた川では
なかった為空いた口が塞がらなくなっていた
それは何故かと言うと…川には全くではないが
水が水溜まりくらいの低さしかなく、
川に浸かるなんて事は有り得ないからだ

「あ、いいこと考えたわ!」
「…と言いますと?」

ルイーゼは突然笑顔に変わり
自分の産まれ持った能力を使い始めた。

「お嬢様!おやめ下さい!病み上がりですよ」
「そうだよ、姉上!倒れちゃうよ!」

なぜ二人は止めているかと言うと……
ルイーゼはその場にある川の水の量を
自分の能力で増やし始めているから。
ルイーゼには水を自由自在に操れる能力が
生まれつき備わっていた。しかし
病み上がりというものもあり余り能力を
使いすぎると体に害が及ぶ可能性もある。
広い川に対し10歳の能力等知れたもの。
誰もがそう思っていたが……かなりの出来
人が浸かれる程の高さまで出来上がった。
その後のルイーゼはと言うと…元気だ。
その場に居る誰もが驚いた。

「さ、ジュディ入りましょう?」
「姉上……姉さん!!!!」
「お嬢様!!!!!」

そう。ルイージはその場で倒れたのだった
そりゃそうだ。10歳の子供がそれだけの
能力を使ったんだ。そりゃ倒れて当たり前
マセリーとジュディは急いで馬車に乗せて
クライス家へ戻ったのだ。