頭の中を整理しよう。

私の名前は ルイーゼ・クライス。

多分だけど…9歳だと思う。

由緒正しい公爵家の令嬢。そして悪役令嬢…。

アルファンス・レオナルド殿下の婚約者。

私の好きなゲーム 「ときめきナイト」の世界

破滅フラグを避けていかなくちゃいけない

誰とも結婚はしないで幸せなHappy end を

迎える為に、やっていくしかない!!!!

「…ルイーゼ・クライス嬢…大丈夫ですか?」

私が百面相をしていたからか不思議そうに
聞いてきた、アルファンス殿下。………あ。
忘れてたー!アルファンス殿下が居たのよ!

「ご機嫌よう、アルファンス殿下」

スカートの裾を持ち、綺麗にご挨拶をする。

「ご機嫌よう。驚いたよ…怪我したと聞いて」

心配そうな表情を浮かべ…

「ご心配おかけして申し訳ございません」

ご令嬢らしくきちんと振舞ったわ

「………」

頭を下げ謝ると殿下は何故か驚いた表情

「…ルイーゼ様が…」

殿下に続きマセリーまで驚いている

「どうされたのですか?」

「ルイーゼ様がお謝りになられた…」
「あの傲慢なルイーゼクライス嬢が…」
「はあ…」
「ルイーゼクライス嬢やはり治っては…」
「ルイーゼ様が…あの…ルイーゼ様が…」

どれだけ私って酷い態度していたのよ……
ここまでの言われ様だとむしろスッキリよ

「ご心配なく。きっと頭を打っただけですわ」
「あ、あ、頭!?」
「ルイーゼ様は木の上に登る習慣がございます」
「木に…登る……なんと…」
「あらマセリー…木に登るのは楽しいわよ」
「ですが公爵令嬢でもあろう方がする事では
ございませんし、前代未聞問題ですよ」
「ぷふ…ぷははははは」
「え?どうなされたのですか?」

突然アルファンス殿下が大きく笑い始め
ルイーゼだけではなくマセリーまでが驚いた

「あ、申し訳ないです。木に登る ご令嬢など
耳にした事など無く笑ってしまいました。」
「アルファンス殿下も登ってみますか?」
「ルイーゼお嬢様!!!!」

ルイーゼは悪気がなく言ったつもりだけど
マセリーは本当に怒ってしまった。
でも肝心のアルファンス殿下はと言うと
完全に、ツボに入ってしまっている。

「あれ?所でアルファンス殿下?」
「どうなされましたか?ルイーゼ嬢」
「今日のご訪問は、何か御用でも…?」
「ルイーゼお嬢様!」
「はい!」
「第1王子のアルファンス様に向かって」
「私は、大丈夫ですよ。お気になさらず」
「…はい、失礼しました、」

アルファンス殿下は、怒るマセリーを止め
ルイーゼの前に行き片膝を床に着けた

「アルファンス殿下?」
「私、アルファンス・レオナルドと
ルイーゼ・クライス嬢の婚約が決まり
ご挨拶を兼ねて、会いに来ました。」
「ご光栄に思います、わざわざ御足労して頂き
誠に、ありがとうございます、殿下。」
「ルイーゼ…嬢…貴女は……
すっかりお変わりになられましたね。」

ルイーゼは笑顔で挨拶返しをすると
アルファンス殿下は驚き、再び笑顔になる

「以前のルイーゼ嬢とは思えません」

悪気があって言っている訳ではないが
ご最も過ぎて マセリーも 首を縦に頷く。

「今までの態度を心ごと入れ替えましたの
沢山の御無礼申し訳ございませんでした」

ルイーゼは謝りながら深く頭を下げ
その姿勢に誰もが驚いた。

「ルイーゼ嬢…頭をお上げ下さい」
「アルファンス殿下…ですが」
「いいのです。これからは楽しくやりましょう」
「お心に留めておきます、アルファンス殿下」




こうして、マセリー クライス嬢の
破滅フラグの幕が開いたのでした。