「ま…ーゼ…おじょ…」

…誰かが何か言っている…

「ーゼ……ル…」

ぼやけて見える…これは…天井…?

誰かが泣いてる…女の人?…分からない。

そして私は目がぱっちりあいた。

「ルイーゼお嬢様!!!!!」
「…ルイーゼ…とは…」
「ルイーゼ!目が覚めたのね…グスッ」
「ルイーゼ!よかった…よかった…グスッ」
「!?」

知らない2人に泣きつつ抱きしめられた。

「あなた…10ヶ月も目が覚めなかったのよ…」
「え…」
「痛い場所はないかい?」
「…ないです…」
「よかった…よかったですわ…」

泣きながら 綺麗な女性は私にそう言った

「…目覚めてくれて本当に…よかった」

泣きながら 綺麗な男性も私にそう言った

「私たちが分かるかい?」

私にそう聞いてきた。何故かピンときた言葉

「…お…父様…と…お…母…様」

「よかった!記憶もきちんとある安心だ!」

…この人たちが私の両親?…違う。

「今日までゆっくりなさい…いいわね?グスッ」

「はい…お母様…」

「お嬢様…よかった…よかったです…」

この人は…このメイドの人は…だれ?

「それじゃ私達は行くわ…マセリーお願いね」
「承知致します」

マセリーって言うのね……ん?あれれ…

手元を見ると小さい…どうして…?
鏡を見ると…開いた口が塞がらない。

「…えーーーーーー!!!!」

「お嬢様!どうされましたか!」

送りに行ったのか急ぎ足で戻ってきたメイド

「ななななんでもないわ…オホホホホ」

待って!え!この顔…何か見覚えがあるわ…

…お嬢様…綺麗な顔…そして…ルイーゼ…

ルイーゼ……もし…か…して……

「私、悪役令嬢になってる!?!?」

「…お嬢様…まさか…まだ…」

変な事言ったからすごい顔で見てくるメイド

「だだだ、大丈夫よ!私はルイーゼよ!」
「…お嬢様。(ホッ)」

安心した表情を浮かべているメイドさん。
…いや…マセリー と言ってたっけ…。

私が…悪役令嬢のルイーゼという事は、、、
まさか……

「お嬢様お伝えする事がございます」
「はい!」
「アルファンス様がお見えになっておられます」

…アルファンス…まさか…ね…違う人よね…
少しボケた感じで言ってみようかな…

「アルファンス殿下…でしたっけ?」
「冗談を言っている場合ではございませんよ」
「はあ…行きます行きます…」
「お嬢様!その様なご恰好では駄目です!」
「え、これ可愛いと思うけどな〜」
「何を言っておられるのですかお着替え下さい」

せっせかと着替えさせられた…可愛かったのに

「こちらです…お嬢様」

そして連れていかれる…されるがままだな

「ルイーゼ嬢…」
「あ!」

やっぱりやっぱりやっぱりアルファンス様!
と言う事は、私、転生しちゃったんだ!!!
…破滅フラグだけは、避けなくては!!!