土方さんを先頭に、列を成して歩く新撰組の隊士達は皆、






返り血でも浴びたのだろう赤黒い血飛沫で、




浅葱色の羽織を染めていた。





私の時代ではあり得ない光景に息を呑む。





生唾がゴクリと音を立てて、喉元を通っていく。






震える身体、だけど怯えちゃいけない。






思わず、彼の名を叫んでいた。





叫んだ声は、届いたのかわからない。






絡んだ視線の瞳は、初めて見た氷のように冷たい瞳だった。





初めて会ったあの日の優しい瞳が嘘のように。








すぐに、視線を逸らされ、



咄嗟に動いた身体は八重に抱き止められた。






「今は…近寄らない方がいいわ。」






「でも……」







「心配なのよね?私だって、皆が心配よ。あとで、行って見ましょ?怪我人もたくさんいるはず。一人でも多く、手当ての人手がいるわ。」






大きく頷いて、家に入ってから身支度を整え。








喉を通らない朝食を無理矢理、流し込んで八重と屯所に向かった。