えっ!? 断った!?
柚木さんの告白を?
嘘でしょ、聞き間違い?

ていうかこの声って、もしかして……。



すぐにこの場を離れなきゃってわかってる。

でも、足はぴたりと止まったまま動いてくれなくて。

どくん、どくんとなる心臓がやけにうるさい。




「ううん! こっちこそ時間取らせてごめんね、藤くん」


明るく取り繕ったような柚木さんの声が聞こえる。



「いや。柚木の気持ち、嬉しかった。ありがとな」


"藤くん"と呼ばれた相手が、柚木さんに優しい声色で返事をする。




……やっぱり、藤だったんだ。

柚木さんの告白した相手。