それは、本当に偶然が重なってのことだった。 「あれ?」 「どしたの?」 友達の里帆と帰ってる途中、話題が今日出た課題へと移ったときにふと気づいた。 「私、課題忘れてきたかも」 「え、まじ?」 確か机の中に入れたのは覚えてるけど、鞄に入れた記憶がない。 「探してみたら?」 里帆の言葉にうなずき、がさごそと鞄をあさってみる。 「うーん。やっぱり忘れてるっぽい」 「あれ、明日提出でしょ?」 そういやそうだった。