「ジェットコースターか。」

「私…実は遊園地…2回しか行ったことないんです。4歳ぐらいの時に…。身長足りなくて、乗れないのが多かったんですけど…。あとは、聖良くんと…」

凌さんは私の話に真剣に耳を傾けてくれて、救われた気持ちになった。

「あいつに先越されんのはムカつくけど…これからは俺がどこへでも連れてってやる。」

「えへへ、ありがとうございますっ!」

笑った私を凌さんはジェットコースターへ連れてってくれた。

すぐに順番は回ってきた。

どんどん上がっていって、体感時間が凄く長く感じる。

あれ、これ私大丈夫かな…。

突然不安に襲われる。

落ちるっ!目をつぶって構えると、手にいつもの温かい凌さんの手が重なった。

「大丈夫。」

目をつぶっているから姿は見えないけど、優しいやわらかい声が私の心に溶け込んで、不安を消した。