「でも、体育祭って…Sクラスは成績のいい人ばかりで、なんか、不公平ですよね…」

思わず、そんな言葉をこぼすと、凌さんは私の頭をぽんぽんしてくれた。

「そこを平等にするためにSクラスの評定基準に体育の成績は入らないんだと。」

「あ、そうなんですねっ、私、運動苦手なので、足引っ張っちゃうところでした笑」

「大丈夫。」

温かいぬくもり…

「やっぱり私、凌さんに撫でられるの好きですっ、」

あ、こんなこと言ったら、私、動物みたい。

「っっ、これ以上、俺の理性を壊さないでくれ。」

凌さんはすぐに顔を逸らすと、部屋のドアを閉めてしまった。

…怒ってるわけではないと思うけど、困らちゃったかな…。

「じゃあ、また明日。」

それだけ言って、私は自分の部屋へ戻った。