「…いえ、何でもないです。ごめんなさい。」

こんな哀れな涙、見られたくない。

見られないように急いで顔を背ける。

「大丈夫?いつでも連絡して。相談乗るよ。」

「ありがとうございます。失礼します。」

早く立ち去りたい。

ペコペコと勢いよくお辞儀をして、逃げるように家へと帰宅した。

「はぁ、はぁ…」

駆け込んだベットの上に涙が落ちて滲んでいく。

許嫁っていう関係が苦しくて仕方なくて、凌さんをそれに縛り付けるのも嫌で…

「凌さん…他の人を好きになんて、ならないで…」

明日は8月25日、凌さんと約束してた花火大会の日。

ずっと楽しみにしてたはずなのに…今となっては行きたくない。