「ん?」

小さな手の中にちょこんと乗っていたのは、漆黒のイニシャルが入ったブレスレット。

「期間限定で有名ブランドとコラボしてるらしくて。」

「高かっただろ…。」

「えっと、凌さん。誕生日過ぎてしまってるんですよね?」

「あぁ、」

俺の誕生日は5月15日。でも、言ってなかったのに何で知って…

「長谷部さんに聞いたら、教えてくださって。」

俺の中に浮かんだ疑問を断ち切るように教えてくれた佑香。

「何も出来なくてごめんなさい。何かプレゼントしたくて…」

ブレスレットか…。これならいつでもつけていられるな。

「大切にする。」

「ありがとうございます!」

佑香は俺以上に喜んでいるみたいだった。