迎えた翌日。俺は自分のベッドで目が覚めた。部屋を出てリビングに向かうと、和久井さんがコーヒーを飲んでいた。
「おはよう。昨日はずいぶん飲んでたな」
「迷惑かけて本当にすみませんでした……」
「俺は別に大丈夫だけど、二日酔いは平気?」
「ちょっと頭が痛いけど平気です」
「そっかそっか」
和久井さんに背負われたことはなんとなく覚えてるけど、そのあとなにを言ったのかは記憶がない。変なことを言ってなきゃいいけど……。
「他のみんなは……?」
「もう大学に行ったよ。零士も授業があるんだろ?」
「はい。二限にあります。和久井さんは……」
「俺はこれから会社説明会。服装は自由らしいけど、無難にスーツ着ていこうと思って」
「そうなんですね。頑張ってください」
「おう、サンキュ」
俺は家を出て本郷通りを目指した。広大なキャンパスを覆っている新緑が見えてくると、レトロな雰囲気の正門に出迎えられた。
そこから中に入って、キャンパス内を歩いていると前方から騒がしい集団がやって来た。目が合って、ひとりの男が俺に近づいてきた。
「ねえ、宇津見零士ってきみだよね?」
「え、そうですけど……」
それはまったく面識のない人だった。



