あなたは運命の人

頭がクラクラする中、スマホを操作する。
駅前にビジネスホテルがあるらしい。
もうここで良い。

すぐに電話して一室部屋をとった。
何が要るかなと考えようとしたが、頭がいつものように熱で働いてくれない。
常備薬とパジャマと服を適当に鞄に入れるとマンションを出た。

徒歩三分も無いが、ホテルにはタクシーで向かった。

ホテルの部屋に入ると体力が持ったことに安心して、桐人君にメールを送った。

『熱が出てしまい、桐人君に移ると大変なので、よくなるまではホテルで泊まります。』

視界がグルグル回る。

熱のせいだ。

もう、ダメ……


力尽きた私はシングルベッドに倒れ込んだ。







ブブブブブ……


振動を感じる。
携帯が鳴っているようだ。

重い瞼をなんとか持ち上げる。
ぼんやりとした中で、ベッドの上に居ると把握すると思い出した。