あなたは運命の人

五分後、ダイニングテーブルにはヒレカツ、サラダ、味噌汁、揚げ茄子の煮浸し、おからと私の作った料理が三人分並ぶ。


「お口に合うか分かりませんが、どうぞっ」

「おー、美味そうじゃん。いただきます」

私の隣に座る諒ちゃんが手を合わせると、私の前に座る桐人君も手を合わせた。

緊張しながら私が見つめるのは桐人君。

味の感想が気になるから。

お味噌汁から口を付けた桐人君。
心臓がバクンバクンいっていて、口から飛び出そうだ。

「美味しいよ」

ふわりと目を優しく細められると頬に熱が集中した。

「よ、良かったですっ。私も頂きますっ」

誤魔化すように私もお味噌汁を口に付けるが、ドキドキしすぎて味が分からない。

「前に食べさせられたヒレカツより美味いじゃん」

諒ちゃんの口にも合ったようで安堵した。
だって前に食べさせた時は料理を始めたばかりの頃で、確かにお世辞でも美味しいとは言えない料理だったが、ボロクソに言われた記憶しかないから。

「ご飯も美味しいし、俺も今日から此所に住まわせてもらおうかなー？」

「へ？」

まさかの諒ちゃんの発言に思わず横へと顔を向けた。