お母さんにああ言われてしまったら、今度の日曜日は行けない。

桐人君の休みを奪うことに罪悪感もあったし、平日に様子を見に来よう。


マンションに帰ろうと家の門を歩いて抜けると見覚えのある白の車が止まっていた。
タイミングよく開いた後部座席の窓には諒ちゃんが。


「あれ?諒ちゃん、どうしたの?」

「足がないだろ?送っていってやる」

なんと気の利く幼馴染み!

「じゃあついでにスーパーに寄って欲しい!」


諒ちゃんに(正確には諒ちゃんの運転手さんだが)スーパーに連れてってもらった。


「どんだけ買うんだよ」

諒ちゃんはカートを押しながら山盛りになったカゴを見ながら呆れた顔をしている。

「だって食材は何にも無くて」

朝チェックしたが、調味料などは揃えられていなかったので、諒ちゃんが居てくれるのには助かった。

「桐人君に頼めよ」

「だって社会人の桐人君には頼みにくい」

「俺なら良いのかよ」

「うん。それに暇そうに私を待ってたじゃん」

笑顔で即答すると諒ちゃんの目が鋭くなる。