あなたは運命の人

獲物を狙うような、逃がさないとでもいうように私を捉えているから。

「ずっと振り回されてるのは俺だから」

その言葉の直後、唇を塞がれた。

桐人君が私にキスをした。

でも記憶の中の優しいキスじゃない。

荒々しい噛み付くみたいなキス。

でも……嫌じゃない……。

桐人君に委ねようとおずおずと彼の両腕に手を添えようとした時だった。

「んっ!?」

驚いて、私は目を全開にした。

口の中に何が入ってきた。

これ……桐人君の舌!?

桐人君の舌が私の舌に絡まっている。

「んぅ、んんっ、」

変な声が勝手に口から漏れる。

初めての濃厚なキスに爆発しそうな心臓。

そのせいか背中が痺れるみたいにピリッとして身体が跳ねた。

そんな背中に桐人君の大きな手がさわさわと動くから落ち着かなくて身を捩ると肩を押されてポスンと私はソファに倒された。

止まらない濃厚なキス。