あなたは運命の人

そして二人きりの車内。


「今日は身体はしっかり洗った?」

「何でですか?」

「美優の妄想した続きもしたいから」

「えっ!?」

「楽しみだな」

運転しながら桐人君が意味深に笑いながら言った。

その言葉のせいで、そこからはずっと緊張していた。

マンションの玄関を桐人君が開けるとドキドキはマックス。
押し倒されるかもしれないと覚悟して玄関に入ったが、桐人君は靴を脱ぐと廊下に足を置いた。


あ、あれ?


「美優?おいで」

肩を透かされ、立ち尽くしていた私に気付いた桐人君が私に手を差し向けた。

動かない私の手を掴むと桐人君はリビングへと向かう。

そうよね。
桐人君が玄関で襲ったりしないわよね。
この後よね……

廊下を歩きながら抜けていた気がまたピンと張る。

「美優、座って」

リビングに入ると桐人君にソファに座るよう促された。


ついに、キスされるんだ……
そしてその続きも……。