あなたは運命の人

次の日、朝早くに目が覚めた。
だって同じベッドに大好きな女の子が一緒に眠っている。
熟睡出来るわけがない。

美優の顔を覗くと気持ち良さそうに寝ていてくれて安心した。

美優に触れたい衝動に駆られて、頭をこっそり撫でた。

止まらなくなりそうで怖くなって、俺はすぐにベッドから出た。
朝食が無いことに気付いて、マンション前にコンビニがあったことを思い出した俺は仕事の準備のためにスーツに着替えると静かに家を出た。

朝食の準備をすると美優を起こし、朝食を一緒にとる。
美優は夕食を自分が作ると買って出てくれた。
その他の家事は、美優の喘息が心配だからハウスキーパーに頼むことになった。


「いってくるね。何かあったら連絡して。僕も仕事で遅れそうだったら連絡するから」

「分かりました。いってらっしゃいませ」

玄関で美優は軽く頭を下げて俺を見送った。

これ、本当に結婚したみたいじゃん。

マンションのエレベーターの中、俺はニヤニヤが収まらず、ずっと口元に手を当てていた。

彼女の前では俺は自分を出さないようにと、『僕』と『敬語』を使ってきた。
でもそれが昨日から崩れ始めている。
気を引き締めないと。