「ただいま~!
あーよく働きましたね~今日も!」



「だな」





魔王と一緒にファミレスのバイトを終え、家に帰った。




電気をつけ、手早く制服から部屋着に着替えると、エプロンをつける。




「チャチャッとご飯作っちゃうんで待っててくださいねー!ちなみに今日はビーフシチューの予定です!」



「ん、りょーかい」



「っ」





すぐ耳元で聞こえた声に体がビクッと反応した。



いつのまにか、魔王が私の後ろから手元を覗き込むようにして立っている。




「魔…宝示さん?す、座って待ってていいですよ?」


「…でも暇だし」


「いちごミルクでも飲んでてください!あ、ストックありませんでした?」


「…あるけど」


「あっ、そーいえば今日Nステ2時間スペシャルですよ!今人気の…」


「興味ねー」


「そうですかー…」




沈黙。



なぜかいちごミルクにも、いつもよりも食いつき悪いし。




今日ちょっと機嫌悪いのかなー?なんて思っていると




「あー、もう。だから」





魔王が赤髪をガシガシ掻いて、言った。





「俺も手伝う」