「おはよう、一之瀬くん」

「キャー! 澄野くんも一緒だ〜」


2年5組の教室で、みっちゃんの席でふたりで話していると、突然クラスの女子たちが騒ぎ始めた。


真宙くんが、友達の一之瀬くんと一緒に教室に入ってきた。


「うそ!? みっちゃん! 王子様が教室に入ってきたよ! もしや同じクラス?!
隣に真宙くんもいる!」


あたしが真宙くんに恋をしていることは、まだみっちゃんに話していないから。

クラスが同じだということを、いま初めて知ったような顔をする。


ああ、真宙くんにまた会えた……!

同じクラスだから、当然なんだけど。


女子から人気NO1の一之瀬くんにも、負けないかっこよさ。


クラスのほとんどの女子が一之瀬くんに対してキャーキャーと騒ぎ立てる中、あたしの視線は真宙くんに一直線だ。


ああ、真宙くんはいつ見てもかっこいい。


あたしが真宙くんを見つめながら、胸をときめかせていたときだった。


「……ふーん。キミが、朝陽が片思い中っていう古賀ちゃん?」


真宙くんが突然、みっちゃんのところへとやって来た。


「俺とは、初めましてだよね? 今日から同じクラスの、澄野 真宙です」


真宙くんがみっちゃんに、自己紹介したのだと思った次の瞬間……。