「あ! おはよー、みっちゃん!」
あたしが昇降口のところで、ローファーから上履きに履き替えていると、高校1年からの友達の古賀美月ちゃんがやって来た。
あたしは、彼女のことを『みっちゃん』と呼んでいる。
「久しぶり〜」
あたしは、ギューッとみっちゃんに思いきり抱きつく。
「久しぶりって、何日か前に一緒に映画行ったでしょ?」
うん。それは、そうなんだけど。
「え〜だって、みっちゃんに会えて嬉しかったから」
これは、本当のこと。
あと、真宙くんが女の子に囲まれているのを見て切なくなったからか、友達であるみっちゃんの顔を見てなんだかすごく安心したというか。
だから無性に、ギュッとしたくなった。
そんなみっちゃんは、あたしの背中をポンポンと優しく叩いてくれる。
「ねぇ、みっちゃん。早くアレ、見に行こうよ」
「そうだね」
あたしはみっちゃんに声をかけると、クラス表が貼りだされている掲示板へと向かった。



