ていうかあたし、ここ最近ずっと真宙くんのことを避けていて。
今日だって『真宙くんと話したくない』って、言っちゃったのに……
真宙くんは、あたしのことを助けてくれた。
あたしがピンチのときに助けてくれるなんて、真宙くんは正義のヒーローみたい。
「七星ちゃん、顔赤い。やっぱり体調悪い?」
今も、あたしのことを気にかけてくれて。
ほんと優しいよ……真宙くん。
「……ねぇ。真宙くんは、なんでそんなに優しいの?」
気づいたら、口が勝手に動いていた。
「……え?」
「さっき学校であたし、真宙くんに『話したくない。関わりたくない』って、嫌なこと言っちゃったのに。こんなあたしのことを、助けてくれるなんて……」
「言っておくけど、俺は別に優しくなんかないよ? もし優しいのだとしたら、それは七星ちゃんにだけだから。だって、俺は七星ちゃんのことが……」



