「なっ、な……!」
昔から" 人を指さすな " と言われてきたけど。
このときは、つい相手を指さしてしまった。
「なっ、なんで、七星ちゃ……新川さんがここに!?」
俺は、思わず金魚のように口をパクパクとさせてしまう。
笹木さんの隣に立つのは、俺の想い人である、新川七星ちゃん。
俺は、予想外の人を目の前にして驚きを隠せない。
「あら? 真宙くん。もしかして、新川さんと知り合い?」
知り合い……って、言って良いのか?
同じクラスじゃないから。俺が七星ちゃんを知ってても、向こうはそうとも限らないし。
「はい、俺と同じ高校の1年です」
「あらあら、そうだったの。新川さんはね、今月から新しく入ったアルバイトの子なのよ」
バ、バイト……! マジで!?
笹木さんに言われて七星ちゃんを見ると、彼女の制服の胸ポケットのところには、『研修中』の名札が。



