そんな俺の片思いに変化が起きたのは、高校1年の夏休み。
夏休みも半分以上が過ぎた、8月のある日。
この日は、俺の妹の誕生日。
母さんに頼まれて、小学4年生の妹の奈紗の誕生日ケーキを買いに、家の近くのケーキ屋にやって来た。
「いらっしゃいませー!」
俺が店内に入ると、聞こえてきた明るい声。
そして、程よく効いてる冷房が心地よい。
ここのケーキ屋は、俺が通う高校の近くにあり、俺の家からも割と近い。
徒歩15分以内かな。
ここのケーキが家族みんな大好きで。
値段も優しいから、俺が幼い頃からずっと、家族で贔屓にしている。



