「ふふっ。真宙くんの、おまじない。 小さい頃、あたしもお母さんによくしてもらったのを思い出した」 懐かしいなぁ。 転んでケガをしたときお母さんに『痛いの痛いの飛んでけー』って、言ってもらって。 それから頭を撫でてもらうと、不思議と痛みが和らいだんだよね。 それは、擦り傷とかの軽い怪我に限ったことだけれど。 「今も……真宙くんのお陰で、痛みが和らいだよ。ありがとう」 「そっか。そう言ってくれて、ありがとう。 怪我、早く治ると良いね」 真宙くんが、あたしにふわりと微笑む。