一番好きなのは、キミだから




それから真宙くんは、あたしを保健室まで運んでくれた。



養護教諭の先生が不在だったので、真宙くんが傷口を水で洗い流してくれ、保健室の消毒液を借りて、あたしの膝を消毒してくれた。


「七星ちゃん……痛い?」


患部に絆創膏を貼りながら、真宙くんが聞いてくれる。


「少しだけ……痛いかな」


「そっか。それじゃあ、七星ちゃんにおまじない。痛いの痛いの、飛んでけーっ!」


真宙くんがそう言って、絆創膏を貼った患部を優しくさすってくれた。


……え?


あたしは思わず、目が点になってしまう。



「って! 七星ちゃん、ごめんっ!
うわー、やべっ。何やってるんだ、俺は……。昔、妹が外で転んだときに、よくやってた癖がつい……」


口元を手の甲でおさえ、先ほどのグラウンドのときよりも更に顔が真っ赤になっている真宙くん。


照れてる真宙くんも、可愛い。